2012/03
先の写真に引き続き、同じ古書店からの写真。
モンテビデオの古書店の壁に掛かるのは当然の如く、ボルヘスのカリカチュアである。
ウルグアイの首都モンテビデオはアルゼンチン/ブエノスアイレスから船で2〜3時間の対岸にある。隣町と言っても差し支えないだろう。ボルヘスの『砂の本』を読むとモンテビデオを舞台にした短編があり、この地名が何度か登場する。
ウルグアイでボルヘスを読むことは、人口の半分をイタリアンとスパニッシュにもつこの大地の過去とその因果のネジをゆっくりと、しかし確実に回すきっかけだった。
イエズスにしろコンキスタドールにしろスペインから向かうところの西、さらに南へ南へと地図の真っ暗闇を突き進んで南米のこのへりに辿り着いた。
この古書の山は、この航海の人的大移動に付随し、大きく離れた故国の原初風景とその知の集積を蔵書に深い埃がかぶさる前に並べ、並べ直す作業のようだった。それはまた盲目のボルヘスが「バベルの図書館」と呼んだ、一筋の灯台の明かりのように思えた。